突然、水飛沫が顔を直撃する。


「なっっ!何すんだよ!!」


顔を上げると……アリシアの目が潤んでいた。


「なんでジョージがそんなこと言うの?」

「なんでって……。それは……」



『好きなやつがいるから、そいつ以外はダメって感じ』


『アリシアは『好きな人なんていない』って否定していたけど……。
そう言うのは自然と分かっちまうもんだろ?』


まさか、ヒューの言う通りそんなヤツがいるのか?



「なんで、ヒューをフッたんだよ」

「ジョージには関係ないわ」



俺を睨みつけると踵を返して、アリシアは岸に向かう。


「もしかして……好きなヤツがいるのか?」


「……いるわ」



俺の思考は………………………………


止った。




アリシアは俺に背を向けたまま、岸に向かってズンズンと歩き出す。


まさか!

本当にそんなヤツがいたのか?

俺は慌てて駆け出し、アリシアの肩を掴み振り向かせる。