「ジョージ・オブライエン!待ちたまえ!」


授業を受けた後、ロッカールームへ急いでいた僕の後を、最近、肥満著しい50代前半のロビンソン先生が、額に汗を光らせ、巨体を揺るがしながら追い駆けてきた。


「ロビンソン先生……。どうされました?」

「コホン。実は、君の隣りの席のエヴァ・アーバインから聞いたのだが……」

「何をです?」

「君がだね、ロッカーの中に危険なモノを入れていると……」



ビッグマウス・エヴァめ!

忌ま忌ましい奴!

僕はチッと舌打ちすると冷笑する。


「そんなもの持っていませんよ」


その態度が、余程気に入らなかったのか、先生は持っていたムチを手にしっかりと握り締め、毅然とした声で僕を威圧する。



「ほう。では、君のロッカーまで連れて行ってくれたまえ!」