ノートを見ているフジエダを横目に、俺は席から立ち上がると出窓を背に寄り掛かるように手を付き、窓の下をチラリと見る。



やっぱりな。



……俺は知ってる。



フジエダが、アリシアに目を奪われていた事を……。



いや、フジエダだけじゃない。



下でアリシアと嬉しそうに談笑するヒューバート・キンケイドもその例外ではない……。

あ～あ……。


鼻の下、伸びてるぜ、ヒュー。

完全に顔に出てるし。

分かりやすい奴。

半ばあきれ顔で腕を組んで見下ろしていると、アリシアが俺に気づき、無邪気に手を振る。



それに応えるように俺も手を振り返す。





アリシアはその天使のように愛らしい微笑と、時折見せるぞくぞくとするような女の色香で男達を惹き付けていく……。