「な、な、なんで……。
こんなことになってるのかなぁ~」



ははは……と弱く笑いながら、体をよじっているようだけど……。



満員電車を甘く見んなよ。



動けるハズがないんだから。



そう思いながら、大熊さんの体をしっかりと抱きしめる。



そんなことをしたのは、もちろん……。



からかいたいと思ったことと、もうひとつ……。



守ってやりたいと思ったから。



他の乗客はもちろん、足場さえおぼつかない揺れる車内の状況から。