「なにって……なに?」



質問を質問で返してみた。



「いやいや。
“なに?”って言ったら……。
ひとつしかないでしょ」



きょどり具合が可愛すぎて、意地悪してみたくなった。



“……は?”



声に出すことなく、口を開く。



「いやいや、だから……。
この……。
あたしの背中に当たってるものはなに? 
……って聞いてるの」



イラっとしたような口ぶりの大熊さん。