「もっとこっちへ来いよ」 「え……。 でも……」 図書室を出て、大熊さんを家まで送る。 今、大熊さんの最寄り駅から家に向かって歩いているところ。 「『でも……』じゃなくて。 もっとこっちへ来いって」 「でも、こんなの……。 星ちゃんにもされたことがないし」 モジモジしながら、下を向く大熊さん。 「……関係ないだろ。今、アイツは」