「このかわいい顔、何回でも見たいから」



――やっぱり、俺、おまえのことがすごく好きだよ。



「だから、もちろん……。
星くんには、渡さないよ? 
この顔を、ひとりじめしたいから」



「……っ」



俺は目を伏せ、大熊さんに向かって、斜めに顔を近づけた。



その瞬間……。



――キーンコーンカーン……。



スピーカーから、チャイムの音が流れ出した。



「やべ、予鈴。
しかも、コレ、配ってない」