アイドルみたいな男だな。



そう思って見ていると……。



たくさんの女子に取り囲まれながら、ソイツは大熊さんに近づいた。



「……な。
……な。
は……な……っ……」



何回も声をかけているようだけど……。



ぼーっとした様子の大熊さんは、全然気がつかないらしい。



だからなのか、ソイツは、後ろから大熊さんの腕を軽く引っ張った。



「ひ、ひゃっ!!」



小さな悲鳴をあげて驚く大熊さん。