俺の気持ちに、気がついたから。



クラスでは、たいていのことをスル―する俺が、大熊さんの好きな食べ物とか聞いたんだもんな。



イヤでも伝わると思う。



“ごめん”



心の中で謝りながら、川本さんの様子には、気づかないフリをする。



そして、急いで次の質問を探して口にした。



「ふーん。
じゃあ、大熊さんは。
どんなグッズを集めてんの?」



そんなこと、多少の興味はあるけど、わざわざ聞くほどのことじゃない。