俺の視線に気づいたのか、大熊さんも俺を見た。



目が合う。



タイミングを逃さず、俺は左手のひとさし指を前に向けた。



その動きにつられて前を見る大熊さん。



やっと清水先生に気づいたようだ。



「よかった~。大熊さ~ん。
やっと僕を見てくれましたね~。
僕、う・れ・し・い♪」



清水先生は、くねくね動きながら指を組み、乙女チックに首をかしげた。



騒ぎを大きくしたくないから、黙って成り行きを見守る。