五年前、毎日見ていた。
少し離れた場所から、その姿を。
その笑顔を。

想いが通じてからは、夢のような日々を二人で過ごした。
今になって思えば、本当に全てが夢だったのかも知れない。

***

「本当にこれだけしか来てないの?」

私と星野さん、あとは高校生の男の子。三人しかいないメンバーを見て星野さんはため息を吐いた。

私と、もうひとりの子はお互いの顔を見合わせてから再び星野さんを見た。

「まあ、いいや。君たちだけでも来てくれて感謝してる。ありがとう」

彼が笑うと、なせだか勇気づけられる。
私たちは彼につられていつしか笑顔になっていた。

大学生の頃のアルバイト先はアパートのそばにあったカフェ。
そこで同じくアルバイトをしていた一つ年上の星野さんに一目惚れをしてからずっと見つめてきた。