私たちの勤める、北陵エクスプレスは大型機材や、輸出入商品の配送や保管を主に行っている。引越しや宅配などの個人輸送も取り扱っており、全国に名の知れた会社だ。
二十支社と営業所は四十一カ所。従業員数は、運転手などもすべて合わせて、およそ七千人。
今回、拓哉と私が担当となる新プロジェクトは、機械の部品となる機材を全国から毎日集めて定期便の船に乗せるという大きな仕事だ。
「秋田さん。プロジェクトの立ち上げは、慣れないことばかりで大変だと思いますが、分からないことは何でも聞いてください。二人で頑張りましょう」
拓哉が私に言うと、私を見ていた人たちが認めざるを得ないようにぱらぱらと拍手し始めた。
「…はい。よろしくお願いします」
私が答えると、拓哉はニコリと魅惑的な笑顔を見せた。