早く、どうしてなんだと責めてほしい。
泣きながら、俺を睨んで取り乱してほしい。
簡単に納得するなんて、許さない。
佐伯課長とよりを戻して、本気で俺を忘れるつもりなのか。
「……言いたいこと?……運賃表の出し方ならば、以前に教わったから大丈夫ですよ。あ、外回りは何時から__」
彼女の答えを聞いた瞬間、俺はガタッと立ち上がった。
「えっ?!主任?」
芹香が驚いた顔で俺を見上げている。
「外回りには、もうじき出かけるよ。その前に、ちょっと……いいか。小会議室まで、付いてきて」
俯いたままで彼女に言う。
感情がうまくコントロールできない。
この気持ちを今すぐに伝えないと、俺自身が壊れそうだ。
佐伯課長となにを話した?
彼は君に、優しくしたのか?
心が彼に戻ったのか?
「小会議室?打ち合わせですか」
もどかしい。
どうして俺ばかりが、こんなに冷静にできないのか。
芹香の気持ちが知りたい。