「なあっ」
「ん?」
私がマヌケな返事をする。
「なんで俺を推薦してくれたの?」
暗い夜道を二人で歩く。
私達は電灯に照らされる。
スポットを浴びているかのように。
「他にもいただろ?
他の立候補者、全員女だし。
あいつらでよかったんじゃん?」
なんでこんな消極的なんだ。
教室の琉夏とは大違い。
「なんでって、
『生徒会長』って聞いたら琉夏しか思いつかなかった」
「え?」
「私の中では琉夏は『頼れる男子』って感じ。
それに、他の人はピンとこかった。
パッとしないって言うかさ。」
本心だ。
中学に入学した時の最初の席。
その時隣だったのが琉夏だった。
私達の中学は小学校からのままのメンツだった。
当時、仲良くはなかったがその後とても仲良くなった。
それ以来『頼れる男子』と思っていたのだ。