ある時、不意に聞こえた言葉。


『あの二人、付き合ったんだって』


目の前の二人が私の後ろを見てそう言った


振り返ると、

そこには彼と、とても可愛らしい女の子がいた。


今まで1度も彼女を作らなかった彼。


もう、潮時だと感じた


もう、これ以上想っていても迷惑になるだけだから。


1%でも残っていた可能性が、0になった瞬間だった。


涙をこらえながら、その場を去る。


涙がおさまるを待って、授業に出ようと思ったけれど、全然おさまらない


仕方なく早退することにした。


心配した麻妃からたくさんの連絡が来てて、


とても嬉しかった


明日は必ず行くよ。

と、連絡をいれて、家を片付けた。


今まで捨てられなかった、思い出の品。


写真だったり、もらったビー玉だったり手紙だったり。


涙を流しながら、ゴミ袋に入れていく。


その時、不意に目に止まった手紙。


幼稚園の卒園式の時にもらった手紙。


『おおきくなったら、ぼくのおよめさんになってね。』


暗号みたいな字で書かれた言葉


あぁ、こんな約束もしたんだよね


思い出してまた、涙がこみ上げる


私はそれもゴミ袋に入れた。


明日から、私は変わるから。


彼のことを絶対に見ない。


彼のことを、考えない。


だから、だから今だけ…


彼を想って泣かせてください。