怖さのあまり目を瞑った私。
けれど、いつまでたっても何も起こらない。
ついには、ため息まで聞こえる始末。
「・・・なにしてるの。」
さっきも聞いたこの声。
「・・・冴島くん?」
私がそうたづねるように声に出すと
「そうだけど。」
少し拗ねたような口調でそう言った彼。
なんでここにいるの?
聞きたいのに声が出なくて、口をパクパク動かしていると
「ふっ金魚みたい」
そう言って昔と変わらない笑顔で笑ってくれた。
「なんでいるの?って顔してるね。」
ズバリ当てられ、驚く私。
「ただ、お前に聞きたいことがあったから。」
「・・・え?な、なに?」
そうたずねると、少し気まずそうな顔をした彼。
「えっと・・・」
言葉を濁しながら彼が視線を動かした。
「・・・っ!」
驚いたような表情の彼。
「ねぇ。」
そして、急に怒り出す。
「な、なに?」
すると、彼は不機嫌そうな声で
「あれ、なに。」
そう言って、玄関先を指さした。
その先には私が昨日まとめた思い出の品が。