「別にちゃんとするこはないんじゃない?」

「……」

「お前らにはお前らのルールがあるんだろう?そのルールを破った奴をわざわざ告発なんてしてたのかよ」

「あ?」

「お前らのルールを破った奴はお前らで何とかして来たんじゃねーのか?」

「だったらなんだよ」


獅朗と会田さんの会話を聞いていて思い出した。

獅朗に最初に会った時がまさにそうだった。
獅朗達の街で私と学が獅朗達のルールを破っていた。
だから、獅朗達は私と学に罰を与えようと会いに来たんだ……


「なら、俺よりお前らの方が正当な罰を与えてやれるんじゃねーの?追い込みなんぞ嵐が居るんだし、最悪ケツは俺が拭いてやるよ。なんて言っても勝てねー勝負はしない主義だからな」

「……」

「何迷ってんだ。嵐の家を利用したくねーなんて温いこと言うなよ。嵐の家がカタギじゃないのはこれからも変わらないんだ。っつーことは、嵐と付き合って行くには、今までのように嵐の家を無視してられないってことだ。……そろそろ、お前らも覚悟決めろ」


獅朗にここまで言う人を初めて見た。
考えてみれば、獅朗だってまだ17なんだから、何もかもが完璧なはずないんだ。
私と同じように、不安になったり、迷ったり、