私の勝手な想像。
獅朗が……嵐が……あれだけ信頼をしていたからてっきり年期の入っている弁護士の先生だと思っていた。


｢君が椿ちゃん？想像以上に可愛いね。これじゃ獅朗が心配するだけあるよ～コイツのわがままったら無いよな。早く来いって急かすから、今抱えてる案件は他に回しちゃったよ｣

｢……すみません｣

｢ん～ちゃんと謝れるなんて良い子だね｣


ノリが軽い……
でも、軽いのはノリだけじゃない。


口調は何となく真澄に似てるし、
茶髪に長い髪を一つに束ねている。
スーツを着て胸元にバッチがあるから、弁護士と分かる程度でこれが私服だったら多分、獅朗達と変わらないと思ってしまう。


｢あっ、因みに俺ね。負ける裁判はしないから｣

｢……は、はい｣

｢あれ？椿ちゃんって大人しめ？それとも緊張してる？｣


そう言って私の顔をニコニコ見ている。


｢会田さんがしゃべり過ぎなんですよ｣

｢そっ？弁護士と詐欺師はしゃべるのが仕事だからね｣


そう言うとソファーに座り｢時は金なりって言うし、早速話を聞かせて｣とカバンから手帳を取りだした。