「獅朗も何か飲む?」

「あーコーヒー」

「ビールじゃなくて良いの?」

「会田さんが来んのにビールなんて飲めるかよ」

「あっ、そっか」


缶コーヒーを二つ手にして獅朗の隣に座った。

獅朗は時計をちらっと見て「そろそろ来るな」と私の手から缶コーヒーを取るとそう言って缶コーヒーを開けた。


「獅朗……」

「あ?」

「ちゃんと……話せるか、不安なんだけど」

「ちゃんとって何だよ。真実を話せば良いだけだ」


ポンっと私の頭を叩き「俺が大丈夫だって言ったら大丈夫なんだよ」と今度は優しく笑って私を見つめる。


インターホンが鳴り、獅朗が玄関先にあるカメラで誰が来たかをチェックして「会田さんだ」と言って玄関の鍵を開けに行った。