秘密基地に着くと嵐達は「明日また来る」と言って帰って言った。

「部屋に荷物置いて来いよ」

「あっ、うん」


空いている一つの部屋。
何故かダブルベットが置いてあり、ガラスのテーブル。
あるのはそれだけ。


本当に誰も使ってないんだ……


備え付けのクローゼットに持って来た数少ない服をかけ、鞄をテーブルの脇に置きリビングへ戻った。


「何でダブルベットなの?」

「あ?」

「いや、ベット……」

「意味はねーよ。ただ狭いのより広い方が良いだろう」

「……それだけ?」

「何だよ。広いと寂しいか?なんなら添い寝してやっても良いけど」


ニヤリと口角を上げて獅朗が笑う。


「遠慮しておく」


獅朗の視線から逃げるようにキッチンに行って「喉渇いた」と冷蔵庫を開けた。


あるのは缶ビールに炭酸ジュースにコーヒー。


まぁ、男しか居ないんだからこんなもんだよね……