獅朗が戻り、真澄達が待つマンションへ向かった。


「荷物は最低限にしろよ」

「荷物なんて着替えくらいしかないから大丈夫だよ」

「そうか」

「あのさ……今さらなんだけど、私があのマンションに居て良いの?」

「椿が居るのは二週間だ。それ以降は俺の実家だ」

「え?実家って……大丈夫なの?」

「心配すんな。オヤジ達はしばらく帰って来ない。仕事で海外に行くからな。だから、それまではあのマンションで我慢しろ」

「我慢しろって、そう言う話じゃなくて……」

「椿は心配するなって言ったろう。頼るなら中途半端にじゃなく、全部任せろ」

「……うん。分かった」


私は大人く獅朗の言うことに従うことにした。