「分からねーじゃなくて考えろ」

「じゃあ、獅朗は考えてるの?」

「……俺は考えてる。10年20年先のこと。別に考えてるから凄いじゃねーんだよ。当たり前のことだろう?自分の先を自分が考えるのなんて。自分以外に誰が考えんだよ」

「そうだけど……獅朗みたいにやりたいことがある人なんて少ないよ」

「金と学歴があれば多少は自由になれんだよ。自由の意見だって周りは聞いてくれる。きれい事じゃなくてそれが現実だろう?今は俺達はガキなんだよ。自由なんて言ってもたかが知れてるし、別に自由な訳じゃねーしな」


確かに獅朗の言ってることは分かる。
高校に行っていない私は中卒扱い。
出来るバイトだって限れてるし……

今は良いけど10年20年先も同じ扱いなんだろうか。



私の未来……――
学が笑っていて欲しいと願った私の未来……――


「……分かった……学校行く」