30分ぐらい話しまた違う誰かに連絡を入れる。
それが何回か繰り返され最後にかけた相手は嵐だった。


前の人達とは違って嵐には明日の夜に秘密基地に真澄と幸二を集めること。
それ以外の人間は近づけるなと言う指示だけだった。


電話を切り「あの三人には自分で説明しろ」と獅朗が言う。


この状況だから獅朗には言ったけど、
あの三人に私の全てを話す気にはなれなかった。


「話したからって、アイツらは何も変わらねーよ。それに……俺達にとってみたら珍しい話しじゃないからな」


獅朗が私から視線をそらした。


「売りをやる入り口の一つだよ。性的虐待ってやつはな……あの街で何人も見て来た。乗り越えた奴も居れば、堕ちるとこまで堕ちる奴も居る……」


それは獅朗達が見て来たあの街の現実。
深く関われば関わるほど見えてくる闇の部分。