コクン、コクンと頷くと「俺の家に行ってくれ」そう言ってくれた言葉に、極度の緊張から解放され安心すると、心が少しラクになりフッと意識が途切れた。



そして私は真っ暗闇の中に居る。
そこが広いのか、狭いのかも分からない。

周りに何があるのか、
誰か居るのかも分からない。

ただジッとそこに居るだけ。
怖いとか淋しいとか、
何の感情もない。

人形のような私がそこに居るだけ。

何も見えないその場所でフワッと感じた匂い。

"獅朗?"

周りをキョロキョロ見渡し、
手探りで周りを探す。

『獅朗!』

そして大声を上げた。
不安から涙が流れた。