「よっ、お疲れ」

「……お疲れ」

「じゃあ、行くか?」

「行くかってさ……」

「毎度、毎度なんだからそこはスルーで良いだろう。ほら、行くぞ」



雅近のお披露目に呼ばれてから、雅近はこうして私のバイト終わりに来て私を食事へ連れ出す。

私の周りには自己中の男しか居ないんだろうか。
飽きれながら「雅近の奢りね」と言うと「分かってるよ」とブルーの瞳を細め優しく笑う。


行き先はファミレス。
これも毎度のこと。


別にファミレスが嫌いな訳じゃないけど、


「またファミレス?」

「ファミレスをバカにすんなよ。日本食にイタリアン、中華だってあるんだぜ」


そう笑いながら私にメニューを渡した。