好きとか絶対ありえへんっ

帰路を1人で歩いてる時春馬からLINEが届いた。


【チョコおいしかった。


ありがと


拓人とがんばれよ?】



「…春馬」



春馬はわかってたんかな…?


あたしが拓人のこと好きって



【ありがとう。】



あたしは返信して、携帯をしまった




春馬とはこれから友達。



後は…



拓人に自分の思いを伝えるだけ。



拓人に明日チョコ渡すの緊張する…


ちゃんと想い伝えれるかな…?


あたしは明日のことが頭から離れへんかった。








あの時こうしてたら…



そう思った時にはもう遅い。



けど、やっぱり好きな気持ちに変わりはない。




「おはよ〜」


「…おはよ」



…ん?拓人の反応がいつもと違う…



いつもは顔を見て笑顔でおはよって言ってくれんのに、今日はそっぽむいてるし素っ気ないし…



あたしなんかしたかな?



「あ、今日なんの日か知ってる…?」


もう朝のうちにチョコ渡して想い伝えちゃおっかな?



「知らん。」



…え?




いつもなら、なに?俺にチョコくれるん?ってことは俺のこと好きになったってこと?



とか言ってきそうやのに…
「そっか…ごめん。」



拓人の素っ気ない態度に、今日はバレンタインやねんで!


なんて言われへんかった



それからなんの会話もないまま学校に着いてしまった。



放課後にも2人になれるし、放課後にチョコ渡したらいいかな…?



あたしはそう思ってそのまま奈美の机に向かった



「な〜み〜、おはよ〜…」



「ちょ!怖い怖い!

おばけみたいやねんけど!



なんかあった!?」



…やっぱり奈美にはわかるんかな?



いや、今日のこの態度は誰が見てもわかるかな?
「拓人が。拓人がーーー!」



「えっ…お経唱えんといて…」



奈美はうるさいうるさい



と言って耳を塞いだ



「ちょっと!


あたし真剣な話してんねんけど〜!」



「ごめんごめん


ふざけすぎた


で、坂下君がどうしたん?」



「拓人が素っ気ない〜!」



付き合ってないから、こんなん言うのは気持ち悪いけど!



「え、坂下君が?」



「坂下君が。」


そうです。坂下君が素っ気ないんです。



「坂下君が歩夢に素っ気なくすることとかあるんや…」



「今日の態度はほんまに素っ気なかった!」



あたしは今日の拓人の態度を奈美に話した。



「想像つかん…」


奈美は頭を抱えてる。



あたしも今日いきなりあんな態度とられたからびっくりしたもん。



「それより、歩夢ってほんまに坂下君が大好きやな〜」



「もう!


奈美ふざけんといて〜!」
あたしは軽く奈美の肩を叩いた。



「ごめんごめん


もし今日の帰りも坂下君が素っ気なかったら教えて!」



「うん、わかった〜」



そんなこと想像したくないけど…




「大丈夫!


もし帰りも素っ気なかったら、絶対なんか理由あるから!」



理由って言っても昨日は一緒に帰ってないし…



まさか


「あたし嫌われた!?」


あたしは焦って奈美にそう聞いたけど


「それはない」



奈美は即答してくれた。
「そう信じときます…」


「自信持ちや!

大丈夫やから!」


「ありがと!」


奈美のおかげで少し自信がついた。



けど、この時は今の期待を裏切る出来事が起こるなんて思いもせんかった。



ーーーー




あたしは拓人に待ってって何回も言ってるけど、拓人は振り向かずに去っていく。


振り返ったと思ったら拓人の目はびっくりすぎるぐらい白い目で…


嫌…!嫌!


そこで目が覚めた。



「やっと起きた…?


起きるの遅い。」


目を開いたら目の前にいるのは拓人で…



あれ、あたしから去って行ったんじゃ…?


「え…?」


「起こしてんのにお前全然起きひんから待ってた。」

好きとか絶対ありえへんっ

を読み込んでいます