「んーーーーっ、出ますわ！
通らせていただいてもよろしくて？」
やぁっと出れましたぁ………。
なんですか！この混み具合は！
人間という人間が集まりすぎて真っ黒！
私背が低いんですわ！
困るんです！わかります!?
「―――好き」
「俺もだよ――」
さて、皆様には状況がわかりますか？
私、先程満員電車を抜けてきた一学生ですわ。
こんなに愛情表現を表に出すなんておつむが悪いのではなくて？
ここまででわかる通り、私はとあるお金持ちのお嬢様。
必然的に私は、基本的に一人でいたのです。
基本的に親かパーティでのご挨拶ばかりの交友。
ですから中学生になってから一人で混みあうなかを進むという行為が楽しくて仕方がなかったのです。
人肌を感じられますから。
……ですが。
知ってしまいました。
この世にはリア充という名のふざけているものが存在していると。
いえ、ふざけてはいませんわ。ただ羨ましいだけですの。
これって見せつけですか、それとも自慢ですこと?
いいえ、まさか差別!?
私は年齢に適したコミュニケーションをとっていないお陰で人とまともに話せないんですわ！
キーホルダーをお揃いにするとか！
何かののキャラクターのキーホルダーを二人で持つとか！
手を繋いだりとか！
上げたら切りがないですわ！
これでは毎日ストレスが溜まってしまいますわ。
それだけは何とか阻止しなくてはなりませんわね……。
