すると名倉は、たまたま近くにあった自販機に向かって、何かを買って帰ってきた。

あいつ、この後に及んでまだ温まる気かよ...。
うちが若干ヒステリックになってると、買ってきた飲み物を、うちの頬につけた。

「あっつ!何すんの...」
「これでも持って温まってろ!」
名倉はうちの言ったことを遮るように言った。

「ありがと...」
私が言うと、名倉は目を丸くする。

「お前やっぱ、具合悪いだろ...。」
「なんでよ。」
「だっていつもだったら、『お前の買ったものなんて死んでも飲むか!』とか言ってくんじゃん。」

うち、そんな酷いこと言ってたっけ...。
てか、鈍感すぎ!!
ちょっとは気づいて欲しいのに...

うちは、とあることを仕掛けることにした。

「うち、好きな人出来たから。」