帰り道。
名倉は、自転車通学なのに、わざわざ自転車付いて私の歩幅に合わせてくれてる。
冬の風が素肌に当たり寒い。
流石に一月なのにマフラー無しは寒いよね。
うちと、名倉が恋人だったら。
マフラー一緒に着けられるのかな。
マフラー貸してもらえるのかな。
「望結?お前元気ないじゃん、らしくねーな!」
ホント馬鹿。
お前のことで悩んでるっちゅーの。
「寒いんです!マフラー手袋完全装備のお前と違ってな!」
「お前冬の自転車漕ぎがどんだけ寒いか知ってんのか!?」
「知りませんよ!チャリ通じゃないですからね!!」
うちの圧倒的な声で、名倉は黙った。
勝った。