「っ、お前が李緒をとうとうたぶらかしたんだろ!?だから、李緒が別れようって言ったんだ…」
「なに言ってんの?どう考えてもあんたの日頃の行いでしょ。それにさっきの発言、どう考えてもきもいでしょ」
嘲笑うようにハッと笑いながら陽太を見る亜紀。
陽太は言い返せなかったのか、ギリリ、と歯軋りする。
陽太がこんなにみっともなく見える。
身長も亜紀の方が高くて陽太が低く見えた。
「まあ、とりあえずもう諦めなよ。島崎はもうあんたと別れておれのものになったわけだし」
「そ、そんなの認めねえ…!」
「悔しかったら、もう1人の女と別れて俺から奪ってみなよ、できるならね」
亜紀はそう言って私の手を握ると陽太にヒラヒラと手を振ってフフッと見下しながら笑う。
そして、そのまま教室の方へ向かっていった。
陽太は追ってくることはなく、しばらくあの場で立ち尽くしているようだった。