「えっ?」



驚いて目を見開いた陽太。


まさか、突然そんなこと言われるなんて思わなかったんだろう。




「でも、ごめん。好きな人がほかにできちゃったから、別れてほしい」



頭を下げて、申し訳なさそうに伝える。


私から、別れを告げる日が来るなんて思わなかった。


でも、これ以上陽太と付き合えさうなんてことできないから。




「陽太も、あの子が好きなんだよね?」


「えーっと、ああさっき隣にいた子のことね、」



あくまでもしらを切るみたいだ。
伝えるつもりはないみたい。先に浮気したこと。




「陽太と付き合えて、良かったなって本当に思った、本当にありがとう」



「いや待って、まだ俺別れるなんて言ってないけど」



「じゃあ、別れたくないの?」


「それは……」



モゴモゴとしている彼に、少し苛々が募る。


早く、別れてこの場から離れたいのに。



やっぱり、陽太との思い出はすぐに忘れられないし多少はつらいものだ。


それでも、綺麗にお別れしたいのに。



「李緒とは、別れたくない…けど」



陽太が、口を開く。