「ちょっ、ぅ、わっ...!」
後ろから名前を呼ばれて振り返ろうとするよりも先に背後からぎゅーっと抱きつかれる。
突然の出来事に一瞬思考回路が停止。
そんな私を他所に、抱きついてきた張本人は顔を後ろから覗き込ませる。
首元に回った腕はまだ離そうとしない。
「あはは、そろそろ慣れてよ島崎。毎日こうして抱きしめてるのにさあ?」
ニコニコと笑いながら面白そうに私をからかってくるこの男。
キッと睨みつけながら腕を引き剥がそうと試みるともっと強く、きつく抱き締めてくる。
さすがにもうそろそろやめてほしい。
「あっ、亜紀(アキ)...いい加減にして!」
「え〜、いつものことじゃん。それに、これは島崎を慰めてあげてるんだよ」
「誰も頼んでないし嬉しくもないから...!」
そこまで言うと、文句を言いながらもゆっくりと腕を離していく。
すると今度は椅子を持ってきて私の横にピッタリとくっついてきた。