教室を出てとりあえず亜紀が曲がっていった方向に歩いていくと、廊下の突き当たりで話をしている亜紀と、違うクラスの女の子が話しているのが見えた。
やっぱり女の子だったんだ。
見つからないように、突き当たりの場所から1番近い階段の踊り場に隠れた。
2人の会話は耳をすませばなんとなく聞こえてくるほどだった。
女の子のかわいらしい声が聞こえる。
亜紀は、どうするのかな。
そういえば、亜紀の恋愛事情なんて聞いたことなかった気がする。
高校生になってからは私の話ばかり聞いてもらったり相談したり、亜紀には常に迷惑をかけてた。
亜紀は、いつも最後まで聞いてくれて励ましてくれたり背中を押してくれたりしてくれて。
だから、彼と付き合うこともできたし辛い思いをしてもなんとかこうしてやってこれた。
今更になって、亜紀の存在の大きさに気付く。
ずっと、大好きな友達でいるはずだった。
それを壊そうとしているのは私。
今、隣にいてほしいのは……亜紀だから。
亜紀がいなくなる未来なんて、考えられない。