そんな亜紀を見送りながら、手をギュッと握る。
汗がだらだらと止まらなくて汗ばんだてのひらを見つめる。
やっぱり、嫌だ。
亜紀がいないのは嫌だ。
彼が違う女の子と歩いていたところを目撃したときと同じくらい、それ以上に胸が苦しくなった。
「李緒、大丈夫?顔真っ青だよ?」
「……えっ?」
近くにいた友達が心配そうに声を掛けてくれた。
慌てて顔を上げると友達がすぐそこにいて。
そんなことにも全然気付けなかった。
「大丈夫……ごめんね」
「小町くんのこと気になるんでしょ?近くまで迎えに行ったら?」
友達は私と亜紀の様子を心配で見ていたらしい。もしかしたら私の気持ちも気付いているかもしれない。
様子を見に行くだけなら…いいのかな。
「……行ってくるね、」
「いってらっしゃい!」
友達がニコッと笑顔を浮かべる。
その顔を見たら少しだけ元気が出た。