彼と別れたくないってあんなに言っていたのに亜紀に心変わりするなんて、さすがに早すぎるよね。
都合のいい自分の気持ちに嫌気が差した。
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チャイムが鳴って、昼休み。
今日は誘いの連絡はなかったからうしろを向いて亜紀に声を掛ける。
亜紀の顔を今日初めて見たとき、思わずドキッとしたけれどこの感情はとりあえず胸の奥にしまっておくことにした。
「亜紀、お昼食べよう」
「うん、あ…でも待って、そういえば俺呼び出されてるんだった」
動きたくない…と机にグタッと倒れ込む亜紀の頭のてっぺんを見ながら私はただただ焦る。
呼び出しって、女の子からかな。
なんの話……やっぱり、告白?
今まで亜紀が告白されたなんて話は正直何回も聞いたしなんとも思っていなかった。
でも、なんでこんな嫌な気持ちになってるんだろう。亜紀は私のものじゃない。
私が傷付く必要なんて、ないのに。
「…い、行ってきなよ、ここで待ってるし」
「うーん……パッと行ってパッと帰ってくる…」
ゆっくりと身体を起こして亜紀は教室を出て行った。