「あっ、亜紀私のうしろなんだ?」
席を移動して座ると、俺の前の席には島崎。
これは…思わずにやけちゃいそうなくらい最高の席だ。
授業中だって、ずっと島崎のことを見れる。
「こんなに近いの初めてだね、お世話になります島崎サマ」
「私が前ってことは授業中叩き起こすからね」
「それは勘弁かも……」
なんて軽口を叩きながら笑い合う俺と島崎。
これなら、何かあればすぐに動けるし彼氏が来てもすぐに割って入れる。
俺にとってはいいこと尽くめだ。
「じゃあ、席替えも済んだし授業していくぞ〜」
先生の言葉に島崎は前を向いてしまった。
でも……こんなに近くにいる。
毎日ベタベタくっついてはいるけどこういうの、憧れてたんだよな…窓側って日差しがもろに当たって眩しいし暑いけど、気にならないや。
そうして、しばらく先生の言葉も聞こえてこないくらい島崎の背中を見つめる。
暑くなってきたのか、島崎は肩まで伸びた髪を高い位置で結びはじめた。
白くて綺麗なうなじが覗いて、思わずドキッと胸が高鳴る。
……これから耐え切れるかな、俺。