「まあね。……それで?島崎を彼氏と俺から奪おうって?それはできっこないと思うけどね」


「は?どういうことだよ…」



勝ち誇ったように笑ってやると、クラスメイトはムキになって言葉を返す。




「だって、俺は島崎のことめちゃくちゃ好きだし?彼氏がいてもいなくても俺は島崎から絶対離れない。だから、入る隙なんてないってことだよ」



そこまで言うと、クラスメイトはなにも言い返さず呆然と立ち尽くす。


俺がこんなこと言うなんて思ってなかったとでも言いたそうな顔だ。



でも、本心だし。誰にも取られたくない。




「そういうことだから、仲良くしてもいいけどそれ以上はないから」




島崎の彼氏ヅラをしながら、教室を出る。



これで少しは牽制できただろうか。
せめて、彼氏以外には取られないようしないと。




「あれ?亜紀教室にいたんだ」



丁度トイレから島崎が出てきて、キョトンとした顔で見つめる。



あー…ほんと、早く俺のものにしたい。



心の中でそう呟きながら、島崎の隣に並ぶ。




「ちょっとね、じゃあ帰ろ〜」




今はまだ、この気持ちは島崎には秘密だ。