「でも実際、小町って島崎のことどう思ってんのかな」


「本気で好きなら相手されてなさすぎで可哀想だろ」


「あはは!確かにそうかも!中学からの仲だしベタベタしてるだけじゃね?」



笑い声が響いて話は俺へと変わっていく。



ふ〜ん。周りにはそう見えてるんだ。



ベタベタくっつくのは島崎だけだし、周りにも結構分かりやすいようにしてたのにな。


もちろん、彼氏にも。

島崎は気付いてないけど、あっちが別の女連れてるのを前に見かけた時からあっちが廊下を通る時とかにくっいて見せつけたりしていた。



もしかしたら、そのせいでアイツの行動がエスカレートしたのかもしれないけど。



「まあでも彼氏もそこまでかっこいいわけじゃないし、わんちゃん俺でもいけるよな」



「付き合えるなら付き合ってみたいよな、かわいい子と」



「奪えるもんなら奪ってみたら?」




黙って聞いてられず、とうとう教室に入り込む。


普段ボケ〜としている俺からは想像できないような睨み付ける顔に、ビクッと驚くクラスメイト。



「こ、小町…聞いてたのかよ」