「いやぁ~まいったねぁ~!僕ちんモテモテ…ってねぇ、聞いてる?おい…ん?どした?」
うそ…あれ、先輩の彼女?
私が見たのは、北川先輩と綺麗な女の人が楽しそうに話している姿。
俊也が私の肩に顎を置いて「あー」と言った。
「あれバスケ部のマネージャーだよ。確か名前は……南先輩?」
「……タッチ?」
「本当に実写版、タッチの南ちゃんって感じの人らしい。いいね、いいねー。俺も言われたいなぁ。“俊ちゃん”って!」
「………」
「あーでもまぁ、別に付き合ってるわけじゃないんじゃん?」
「でも仲いいし……彼女だよ、絶対……」
「いやぁ、普通にただ帰りが一緒になる事もあるだろ」
そりゃそう信じたいけど……
でも、北川先輩のあの楽しそうな顔を見ると、どうしても疑ってしまう。
俊也があっけらかんと言った。
「誘ってみれば?花火大会」
「そんな、簡単に言わないでよ」
「もし断られたら、しかたねーから俺が一緒に行ってやるよ」
なっ!!
「よっ、よけいなお世話!じゃあね、馬鹿!」
「おい、馬鹿とは何だ!おいっ待て、友香!」
家に着き、私は思い切りドアを閉めた。
ふ~っと思い切り息を吐き出す。
たくノー天気なんだから!
でも一瞬、俊也にドキっとしてしまった自分がいて……。
あ~~バカ!
自分、キモい!キショい!