『まぁいいや。
……あの部屋、古めで赤系の暗い感じのトーンでまとめてあるでしょ?』

「はい……」


そう、彼が私に用意した部屋は
赤い色で統一された部屋。


『君さ、ヴァンパイアになって初めて僕の首とか見たとき、血の色がしてたでしょ?
ぶわーっ! って。首あたりまるまるさ』


私は頷いた。

あまり記憶に残したくないものだ。

自分が彼、知亜希さんにいきなり噛みついた、なんて。



『でもね、眼がなれるとちゃんと血管が見えるんだ』





…………………………はい?





『しっかり見えるようになると効率的に噛みついて大量の血が飲めるようになるのさ』




私、血なんか飲みたくないんですけど。


………………………………あ、そっか。




「それって、血管の場所によっては……」

『飲める血は少ない、よ』