「質問に質問で返すなって教わらなかった?」

呆れたように、肩にかかった金髪を片手で払う莉々。

「それにその物言いが気に入らないわ。何で上から目線な訳?」

「訊かれた事にだけ答えよ小娘。お前は龍宇の何だ?」

「死んでも教えてあげない」

拳を握り締め、フットワークを刻み、ピーカーブースタイルで構える莉々。

「ならよい、死ね」

鬼は一歩踏み出す。

その踏み締めた一歩からも、猛り狂う闘気が迸っているように見えた。

本能的に悟る。

コイツは強い。

「いよいよ格闘特区も本格的になってきたわね。鬼が徘徊するようになったなんて」

呟く莉々に。

「鬼?笑止」

鬼はニヤリと笑った。

「我は修羅だ」