鬼気迫る雰囲気の龍宇にそれ以上話しかける事も出来ず、莉々は去っていく彼を見送った。

仕方がない。

このまま今夜は帰るしかないか。

本当は龍宇ともう少し一緒にいたかったのだが。

不満げに唇を尖らせ、莉々は一人夜道を歩く。

それにしても朴念仁だ。

こんなフリルだらけの萌えの化身のようなウエイトレス風コスチュームを纏い、臍もアンスコも丸見えの出で立ちをしているのに、全く莉々に対して欲情の欠片も見せない。

龍宇はもしかしたら、男色家なのだろうか。

「あんまり見向きもされないと、プライド傷ついちゃうわよね」

一人呟く莉々。