愕然とする。

活人拳を追い求めて修練を続けてきた龍宇と相反する道を選んでおきながら、今度は龍宇にその魔道を引き継げという。

修羅は何処までも横暴だった。

「何故に山中に捨てられていた貴様のような赤子を、我が拾ったと思う」

修羅は口角をつり上げる。

「活人拳と殺人拳の狭間で迷っていた我の前に現れた貴様が、赤子の折から『殺意』の素質を滲ませていた…我はそれを見抜いていたからだ」

「赤ん坊の時から、俺が殺意を持っていたというのか!」

「何にも染まらぬ赤子だったからこそ、純粋なる内在する殺意を醸し出していたのだ…でなければ、山中に赤子一人など、獣の餌食にしかなるまい」

ほくそ笑む修羅。

「貴様こそが、殺人拳こそ真理と気付かせてくれたのだ、龍宇」