打つ、投げる、極める。

大別して、この世に存在する徒手の技術はこの三つ。

世界中に様々な流派はあれど、括ってしまえば技はこの三種しかない。

それらに勝手なお題目をつけ、独自の流派だと勝手に言い張っているだけの事。

しかし目的は全て同じ。

『敵をどうやって効率よく無力化するか』

この一点に集約される。

効率よい無力化の究極。

「それは敵を完全に殺す事。死ねば決して抵抗は出来ぬ」

まさしく究極だった。

物言わぬ骸と化せば、二度とこちらを狙う事もなかろう。

即ち殺しの技術さえ極めてしまえば、流儀も流派も関係ない。

「殺しは殺し。流派などそもそも下らん事でしかない」

「ですが!」

龍宇は食い下がる。

「人を傷つける事なく無力化する事だって出来る筈です!それ故の活人拳ではないのですかっ?」

「笑止」

龍宇の言葉を、修羅は嘲笑う。

「傷つける事なく無力化した所で、こちらが背を向ければ、そ奴は再び襲いかかってくる。何故か?殺しておかぬからだ」