「昨日、見ちゃったの。千歳くんが女の先輩に……その……資料室でキス、されてるの」 視界が歪んで見える。 千歳くんの顔がよく見えない。 涙が溢れるのを必至に耐えながら、言葉を続けようとした。 でもそのとき。 視界が一気に暗くなった。 「千歳、くん……?」 よく知ってる温かさに包まれる。 千歳くんに抱き締められたと気付くのにそう時間はかからなかった。