あたしは生徒会長室のど真ん中にある机に触れる。
年紀が入ったこの机は少し色あせているが、相変わらずの大きさ。
この机に触れると少し顔がニヤついてしまう。
だって、あたしと桐ちゃんの想い出の場所でもあるから。
桐ちゃんは全然、そんなこと思ってないだろうけど。
毎日多忙で、疲れ果てたあたしは仕事をしているうちに眠りについてしまった。
最初はマジで爆睡してたけど、
物音がして目が覚めた。
でも、顔を上げるのがめんどくさくて寝たままの体勢でいたんだ。
そうするとドアがノックされた。
これまためんどくさくてあたしは黙っていた。
『夏希??
入るぞ……??』
そうすると聞き慣れた声が聞こえて人が入ってきた。
それは、桐ちゃんで。
あたしが起きていることにいつ気づくのか試すためにそのまま寝たふり。
これが全ての始まりだった。
桐ちゃんがあたしに近寄って来る。
腕に顔を埋めながらニヤニヤ笑うあたし。
桐ちゃん、勘鈍いから絶対気づかないだろうな…
なんて、考えていた。