「そう言えば桐ちゃん、好きな人いるの?」
いつも通りを装い聞く。
心臓のドキドキがうるさい。
『さぁ~な
ただ、もう元カノのことは好きじゃねぇ』
と、桐ちゃんは言った。
うぅ~ん…
どういうことだ?
結局、好きな人いるのか?
……いないのか??
なんて、めちゃくちゃ悩んでたっけ?
あのとき。
今思い出すと笑える。
すっごく、くだらないことで悩んでたな、って。
「あー!夏希発見!!
大ちゃーん!夏希いたよ!」
図書室から出たところでバッタリ陽菜とはち合わせ。
「ったく、どこいったのかと思ったじゃん!」
なぜか陽菜に怒られるあたし。
そっちがどっかに行っちゃったのが行けないじゃん。
『夏希、勝手にどっか行くなよ』
陽菜の後ろには大ちゃんがいて。
なんだか少し、気が重い。
ダメだなぁ…あたし。
一応、大ちゃんは彼氏なのに、気が重いなんて。