「龍先生?誰ですか?夏希って。」
突然、横から声がした。
『いいだろ、誰でも』
声の主は今の俺の教え子。
こっちの学校では”龍先生”と呼ばれている。
「みんなぁー!
龍先生の彼女の名前、夏希だよー!!」
俺の横にいた女生徒は走ってみんなが集まっているところへ行く。
『龍先生、彼女いたのー?!』
『バカ!いねぇーよ、彼女なんて』
それにしても、心の中で呟いてたはずなのに口に出てたとは…
しかも、それを生徒に聞かれるなんて。
「じゃあ夏希って誰ですか?」
さっきの女生徒が聞いてくる。
『昔の…教え子だよ』
これに、間違いはないよな。