『俺…お前にウソついた。
なぁ…夏希
俺さ、3年間ここにいて思ったことがあるんだ。』
腕の中からうん、という小さな声が聞こえる。
『自然に囲まれてて、ストレスなんて感じないくらいの生活してて。
でも、満たされてるなんて思ったことがないんだ。
いつも俺の心の中にはポッカリとでっかい穴が空いてる。
それの原因は分かってる。
ってか…最近分かったんだ。
前の学校にあって、ここにはないもの。』
ふぅ~と息を吐き出す。
どうしよう…俺
あの日より緊張してる。
不安を少しでも取り除きたくて抱きしめている腕に力を入れた
『前の学校にあって、ここにはないもの。
…………お前だよ、夏希』