「大ちゃんから全部聞いた。
桐ちゃんがうちの学校去った理由も全部
ごめん…ごめん、桐ちゃん
あたしのせいだよね。
うちの学校好きだったんでしょ?
なのにこの学校に来て。
あたしがいなかったら良かったのにね…」
俺の体は俺の意志に反すことが多いらしい。
気づいたときには俺は夏希を抱きしめていた。
あの強気な夏希がこんなことを言うなんて信じられなかった。
『俺はお前がいてくれてよかった、そう思ってる』
思わずそんな恥ずかしいことをサラリと言ってしまう俺。
夏希の調子がおかしいから
俺までおかしくなってしまったらしい。
「バカじゃないの?
何言っちゃってるのさ??」
腕の中から聞こえた声は相変わらずの生意気なもので。
すっかりいつもの夏希に戻っていた。
『でもそれが本音だから』
この際、さらけ出すことにする。
言っちゃったものは取り返すことはできないからな